スクナビコナ鍼灸院奈良学園前の施術方法・内容について
当院の施術方法・内容について ― 施術の理論について解説
肩こりや自律神経の不調でご来院いただく方から、時々
「他の鍼灸院と施術の流れが違いますね」
と言われることがあります。
当院では刺鍼の前後に必ず揉捏(じゅうねつ※揉むこと)を組み合わせる、古典的なスタイルを採用しています。
この記事では、この流れがなぜ合理的だと考えているのか、現時点でわかっている生理学的な知見と、証明されていない部分を分けてお伝えしたいと思います。
鍼の「刺激」とは、そもそも何が起きているのか
鍼を刺すという行為は、組織へ微小な損傷を与える行為です。
針の太さに応じて組織に一定の損傷が生じることが組織学的に確認されており、皮下や筋肉の膜には痛みや刺激を感知する細い神経の末端(自由神経終末)が分布しています。
この微小な損傷をきっかけに、局所ではATPなどの物質が放出され、これが分解されて生じるアデノシンという物質が鎮痛に関わる受容体を刺激することが動物実験で示されています。
つまり鍼の刺激は、
①神経終末への機械的な興奮
②組織のわずかな損傷に伴う生化学反応
③脊髄・脳幹を通じた自律神経系への波及
という複数の層が重なった現象です。
刺す深さによってどの神経線維が動員されるかが変わるため、浅く触れる程度の刺激と、筋層まで届く刺激とでは、体の反応の質そのものが異なります。
指圧・揉捏との違い
指圧やマッサージは皮膚を貫通せず、圧力によって比較的太い神経線維(触覚を伝える線維)を中心に興奮させます。
一方、鍼は皮膚を貫通することで、指圧では届きにくい層の神経線維まで動員できると考えられています。
国際的な研究でも、手技による強めの鍼刺激は複数種類の神経線維を同時に活性化し、電気鍼のような弱い刺激とは異なる反応を引き出すことが報告されています。
ただし、指圧そのものにも独立した鎮痛効果があることは複数の臨床試験で支持されており、「揉むことに意味がない」わけでは決してありません。
動員する神経の種類と反応経路が異なる、別ルートの働きかけだと理解するのが正確です。
前揉(刺鍼前の揉捏(じゅうねつ))にどんな意味があるか
刺鍼の前に揉捏を行う目的として、理論的に説明できるのは主に次の3点です。
痛みの通り道を先にふさぐ
太い触覚の神経を先に興奮させておくことで、脊髄のレベルで刺鍼時の痛み信号が伝わりにくくなる(ゲートコントロール理論)
局所の血流を先に高めておく
血流が良い状態を作ることで、刺鍼後に生じる物質が組織内で働きやすい環境を整える
筋の緊張を予備的に緩める
硬く緊張した状態でいきなり刺すより、抵抗が少ない状態で刺入でき、過剰な響きを避けやすい
後揉(抜鍼後の揉捏)にどんな意味があるか?
抜鍼後の揉捏についても、次のように説明が可能です。
微小な内出血や滲出液を分散させる
鍼による微小な組織損傷部位に生じたものを周囲に広げ、内出血や鈍い違和感の残存を抑える
響きの余韻を早く収める
刺鍼直後に残る神経の興奮状態を、触覚刺激で上書きして落ち着かせる
心地よさによる満足度の向上
施術効果とは別の要素として、リラクゼーションの質を高めることができます。
簡単にいうと、「施術の満足感が高くなる」ということです。
大切なこと:理論的な合理性と、証明されていることの違い
ここまでの説明は、ゲートコントロール理論や組織損傷モデルなど、
それぞれ個別に確立されている生理学的な知見から論理的に導いたものです。
しかし正直にお伝えすると、「前揉→鍼→後揉」というこの一連の流れ自体を、他のやり方と比較して効果を検証した臨床試験は見当たりませんでした。
当院がこのスタイルを続けているのは、開院から重ねてきた臨床の中で
「この順番の方が体の反応が良い」
という手応えを積み重ねてきたためです。
根拠に基づく医療は本来、研究データだけでなく施術者の臨床経験も構成要素の一つとされています。
ただし臨床上の実感には、自然な症状の波や、期待感による影響など、区別しきれない要因が混ざる可能性も否定できません。
「理論的にはこう説明できる」ということと、「このやり方が他より優れていると証明されている」ということは別物です。
当院はこの違いを曖昧にせず、施術の説明においても常にこの立場でお伝えするようにしています。
この施術がどのような症状にどうつながるか
「前揉→鍼→後揉」という流れは、体性感覚から自律神経系へのアプローチという一本の軸でつながっています。
具体的な症状別の施術の考え方は、以下でそれぞれ詳しくご紹介しています。
– 肩や首のこわばりでお悩みの方
は、【 肩こりへの施術の考え方 】で、前揉による緊張の緩和と刺鍼による深部へのアプローチがどう組み合わさるかを解説しています。
– 更年期特有のほてり・不眠・気分の波でお悩みの方
は、【 更年期と自律神経へのアプローチ 】をご覧ください。
– お子さんの不登校に伴う心身の不調でお悩みのご家族
は、【 不登校とご家族の自律神経ケア 】で、体性−自律神経反射の考え方をどう応用しているかをご紹介しています。
– 顔のこわばりや気分の落ち込みでお悩みの方
は、【 美容鍼と自律神経・メンタルの関係 】で、顔面への鍼刺激が筋緊張と自律神経にどう働きかけるかをご紹介しています。
ー参考文献ー
– 微小組織損傷としての鍼刺激.全日本鍼灸学会雑誌 1995; 45(3): 192.
– Goldman N, et al. Adenosine A1 receptors mediate local anti-nociceptive effects of acupuncture. Nature Neuroscience(Science Signaling日本語解説:COSMO BIO)
– Effects and mechanisms of acupuncture analgesia mediated by afferent nerves in acupoint microenvironments. Frontiers in Neuroscience, 2023.
– 厚生労働省 eJIM「鍼治療[各種施術・療法 – 医療者]」
当院のご案内
| 院 名 | スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前 |
| 所在地 | 〒631-0022 奈良市鶴舞西町2−22−Fun2F |
| TEL | 070-8404-5297 |
| 受付時間 | 10:00〜22:00(最終受付20時) |
| お休み | 毎週木曜日 |
| 施術内容 | はり/灸/美容鍼 |
| 駐車場 | 有り(1台)![]() |
| アクセス | 近鉄学園前駅から徒歩15分 |
| 院の内観 | 内観写真はこちら |
| LINE連絡 | 公式LINEで相談する |
| WEBご予約 | 24時間いつでもスマホから空き枠の確認・確定が可能です。 空席確認・予約する |
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