⚫︎神経症状による不登校が増えている?
スクナビコナ鍼灸院奈良学園前は、自律神経の不調による神経症状の緩和を得意としている治療院ですが、最近は子供の不登校に対する相談が増えているように感じます。
本当に深刻な症状の方もおられますし、深刻な表情の親御さんとは裏腹に、当の子供は意外とあっけらかんとしていることもあります。
深刻な症状を訴える方に多い症状と、反対に親御さんは深刻なのに、子供はあっけらかんとしている場合に多い症状に特徴があることに気づきました。
その違いは後述しますが、不登校の相談・治療希望が多いのは事実です。
では、どのような症状が多いのでしょうか?当院で取り扱った症状について解説して行きましょう。
⚫︎多い症状
1、不眠
ダントツの1位は不眠症状です。
不眠症状を訴える方は皆さん深刻な表情で
「病院では自律神経の不調だ。ゆっくり休むようにと言われた」
「しかし寝ることができないので、休むことができない」
と訴えられます。
まだ子供なので投薬に抵抗があるようで、すがる思いで当院に来られます。
不眠症状は鍼灸治療が最も効果を出しやすい症状であるので、皆さん「よく眠れるようになった」とおっしゃいます。
数回通院していただければ症状が緩和して、その後によほど大きなストレスを受けない限り、自身の力で回復させられるようになっています。
2、めまい(起立性調節障害)
女性に多いです。
特徴としては
・体格は細身が多い
・やや神経質、もしくは引っ込み思案
・色が白く声に力がない
・肩こりや頭痛が強い
といったものがあります。
東洋医学では「めまい」は気の滞り、つまり「巡りが悪い」ために起こる症状と言われています。
「気の巡りが悪い」というのは「血の巡りが悪い」とも似た意味ですので、めまいを発症する方の特徴に一致しています。
この症状も鍼灸の得意分野といえますので、比較的短期間で回復傾向に向かいます。
3、緊張性頻尿
男性に多いです。
電車の中や教室内等の閉じられた空間にいると、緊張して尿意を感じることが多いと言います。実際に尿が出るわけではなく「出そう」という感覚が強く現れるようです。
この感覚が強くなることで、外出自体を怖がるようになり、不登校につながっているようです。
当院での鍼灸治療での症状緩和率はあまりよろしくありません。
というのも、自律神経の不調だけでなく心理的な要因が強く働いているようで、他者(施術者)が外部的に手を施しても当人が回復を願わなければ回復しないことがほとんどだからです。
また、当人の「苦手を克服する」といった心理的ハードルを超える成果が必要になることが多く、なかなか鍼灸治療だけで改善させるのは難しいです。
私の技術不足も当然あります。
4、過敏性腸症候群
こちらも男性に多いです。
緊張やある場面に遭遇することが心理的トリガーとなって強い腹痛を引き起こすようです。
本人の過去の経験や、将来に対する不安等が引き金となっていることが多いようです。
一時的に症状が出にくくなるところまでは緩和はできているようですが、こちらも残念ながら顕著な効果は出せていないのが実情です。
⚫︎男の子は感情表現が苦手?質問の仕方に一工夫を
最初に「本当に深刻な症状の方もおられますし、深刻な表情の親御さんとは裏腹に、当の子供は意外とあっけらかんとしていることもある」と書きましたが、この3と4の症状を訴える方にこの例が当てはまります。
この3と4の症状を訴えるご家庭に多い特徴は何でしょうか?
それは
・親御さんの期待値が大きい
という点にあります。
子供さんが進学校に通っていたり、スポーツ推薦で有名な学校に通っていたり、といった場合が多く、親御さんが子供にとても大きな期待を寄せていらっしゃいます。
親の期待は子供を成長させます。期待を寄せることが悪いわけではないです。
ただ知って欲しいのは、「男の子は自分の感情を言葉にするのがめちゃくちゃ苦手」ということです。
期待を込めた親が、男の子に「学校どうだった?」と質問した場合、男の子はだいたい「普通」とか「別に」といった回答しかしません。
本当は「普通」でなかったとしても、男の子は
・その原因がわからず、うまく言葉にできない
・そもそも感情を言葉にすること自体ができない
といった特徴があります。
ここは明らかに男性と女性の性差だと思います。
何よりも、思春期の男児には
・男である自分が、女である母に弱みを見せることはできない
といった心理が強烈に働きます。
ではどうすれば良いのでしょうか?
それは、
「どうだった?」
といったような、自由に回答できるオープンクエスチョン形式ではなく、
「勉強楽勝やった?」
「練習楽しかった?」
というような、Yes or No で答えるようなクローズドクエスチョンを用いる方法が良いです。
さらには、上記にあるように「楽勝なわけがない」「楽しいわけがない」内容についてあえて反対の質問をすることで
「そんなわけないやん!」
と言いやすい雰囲気を作るのです。
そうすることで、最初の低い弱音ハードルを超えたことで、悩みを吐き出しやすくなります。
これは、私が警察官として取調べをしていた際にも多用していた方法で、結構効果的です。子供への質問方法と取調べを同じに語るのは間違いかもしれませんが、良い例えがなかったのでご容赦ください。
⚫︎原因は環境?親の期待に潰れる子供
ただ、子供への期待が強すぎるあまり、弱音を吐かせない雰囲気を作り出してしまっている親御さんを見かけることもあります。
私は警察官としての経験が長いので、子供の嘘はなんとなくわかります。
統計などはありませんが経験則で、会話の内容に違和感を覚えるのです。
子供の話を聞いていて「ん?」と思うことがあると、追求すると大概嘘だったということが多いです。
3や4の症状を訴える男の子の施術をしている最中に、親御さんが退席して子供と二人きりになったので
「だいぶ無理してるやろ?しんどいんちゃう?」
と申し向けると、子供はビクッとして
「ほんまは友達と遊びたいんです。でもそれいうとお母さん泣くし、しんどい顔もでけへん…」
といったことがありました。
これは本当に辛いことだと思います。
子供は一時的に休息するために、いわゆる詐病を使って心を休めていたことになります。
勘違いしないでいただきたいのは、これはあくまで一例で、子供が全て詐病を使っているわけではありません。
本件はやむに止まれずそのような方法を取らざるを得なかったというだけです。
ただ、子供をこのような手段を取るまで追い込むことは、お互いのためになりません。
しっかりと親子の信頼関係を気づき、語り合うことが大切なのではないでしょうか。
⚫︎終わりに
体調を崩す子供が多いな、というのは常々臨床していて感じます。
当院の特徴もあるのかもしれませんが、スポーツ等の外傷ではなく心理面の不調が多いのは由々しき自体のように感じます。
不景気で日本全体の雰囲気もギスギスしている中で、今はSNSを通じて子供も世間の雰囲気を知ってしまいやすくなっています。
そんな中で、心の拠り所である家庭でまで緊張感があっては、社会で生きる術を持たない子供にとっては地獄に等しいはずです。
子供が元気に体を動かして、健全に学生生活を送れるように僕たち大人が雰囲気を作っていかねばなりませんね。
当院のご案内
院名 | スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前 |
所在地 | 〒631-0022 奈良市鶴舞西町20201207−22FUN2階 |
TELL | 070-8404-5297 |
受付時間 | 10:00〜22:00 |
休診日 | 不定休 |
診療項目 | はり/灸/小児はり |
駐車場 | 有り(1台)![]() |
アクセス | 近鉄学園前駅から徒歩10分 |
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