◆患者様の主訴
肩にのし掛かるような不快感と、不眠症状。
寝つきはそこまで悪くないが、些細な音で目が覚め、その後寝付けなくなる。
◆患者様の所見
・40代女性、細身。
・体が重そうに歩く。
・顔色はやや黒くくすんで見える。
・目はうつろであまり目を合わせない。
・声が小さく、消え入りそうな感じ。
◆患者様の環境
思春期の女の子がおり、反抗期にある。
生活態度等に注意すると
「うるさい!黙れ!」
「産んでくれなんて頼んでない!」等
言われる。
思春期の子供にありがちな言動であることはわかっているが、毎日継続すると流石に精神的にキツくなってくる。
肩こりを自覚するようになってきたため、整骨院に通うと、肩に電気を当ててもらった。
しかし、電気治療後はいつも頭痛がひどくなり、肩こりも楽になった気がしない。
◆東洋医学的観察
典型的な「肝気鬱血(かんきうっけつ)」症状であると思われた。
「肝気鬱血(かんきうっけつ)」とは
血液の循環が悪くなり、身体中のエネルギーの巡りが悪くなる。
そのためスムーズエネルギーの循環を好む「肝の気」が滞り、肝の気が司どる「怒り」の感情を抑える力が弱まってイライラしやすくなる。
「肝気鬱血(かんきうっけつ)」症状の医学的解説
暴言を受けることによってイライラして交感神経が昂り、血管が収縮して血圧上昇し心拍数が増加する。
これが常態化することによって交感神経が沈静化することがなくなるため、血管収縮状態が長引き、身体中への血液運搬料が減少する。
すると血液循環が滞り、細胞への酸素や栄養の供給量が減少して顔色のくすみや肌の輝きの喪失が起こる。
交感神経の常態化は、感情抑制を失わせ、イライラしやすくなったり不安感に襲われたりするようになる。
また神経過敏となり
・寝つきにくい
・すぐに目がさめる
・眠気を感じない
等の睡眠障害を生じるようになる。
◆治療内容
痛みは御法度
交感神経の昂りが顕著なので、痛みを感じさせることは厳に慎む必要があります。
なぜなら、痛みは更なる交感神経の昂りを引き起こすからです。
当患者様が「電気治療の後に頭痛がひどくなった」と仰っているのはこのせいです。
電気治療は個人的には非常に扱いの難しい機器だと思っています。
個人によって「気持ち良い」と感じたり、「痛い」と感じたり効果がマチマチで予想し辛いからです。
さらに本件のように肝気鬱血で気の滞りがある状態の人に、無理やり電気という「エネルギー」をあたると、巡りの悪い体に無理やりエネルギーを注ぐことになり、局所的なエネルギーの大渋滞が起きます。
それが「頭痛」というカタチで出たのだと想像します。
肝気鬱血には気持ちよさ最優先
交感神経の昂りがみられる肩には、「気持ち良い」と感じる刺激を与えることが最も大切です。
「気持ち良い」という刺激は、「副交感神経」を刺激してリラックス状態へと体を導いてくれるからです。
スクナビコナ鍼灸院奈良学園前では、「トリガーポイント療法」を併用しています。
トリガーポイント療法とは、筋肉の緊張の原因となっている「点」を探して治療していく方法です。
最大の特徴は「体の芯に響くような気持ちよさ」です。
痛みなくただ気持ちよさだけを体に与え続けるこの手法は、ほとんどの方が眠ってしまいます。
それだけ副交感神経への切り替えがうまくできているということの証拠です。
この患者様も、首肩と肩甲骨のトリガーポイントへの刺激で、眠ってしまいました。
◆調子を整えることは、将来の不安に備えること
この方は、当院がおすすめしている3週に一度の頻度で来院されています。
やはり思春期という期間を乗り切る為には、親も体調を万全で望まなければなりません。
子供は無尽蔵の体力を持っていますが、大人はどんどん衰えていってしまいますので、鍼灸やマッサージといった備えを怠ると太刀打ちできなくなってしまいます。
体調を常に整えておけば、大体の不足の事態にも冷静に対応できるようになります。
自分のケアは優先順位が下がりがちですが、ぜひご自身の体調管理の優先度を上げていただければと思います。
【思春期関連のYouTube動画も合わせてご覧ください】
当院のご案内
医院名 | スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前 |
所在地 | 〒631-0022 奈良市鶴舞西町20201207−22FUN2階 |
TELL | 070-8404-5297 |
受付時間 | 10:00〜23:00 |
休診日 | 不定休 |
診療項目 | はり/灸/整体/小児はり |
駐車場 | 有り(1台)![]() |
アクセス | 近鉄学園前駅から徒歩10分 |
院の内観 | 内観写真はこちら |
LINE連絡 | 公式LINEで相談する |
WEBご予約 | Webで予約する |
MAP