経筋は筋膜なのか? 現代医学から考える経筋の実体
東洋医学の「経筋」は、現代解剖学では何に相当するのでしょうか。
この問いについて、筋膜、筋肉、腱、神経などを候補とする研究が行われています。しかし、現時点で統一された見解はありません。
筋膜から考える説
2022年の研究レビューでは、経筋の基礎研究について、画像診断、触診、病理、生体力学など複数の観点から整理されています。筋膜の連続性や組織間の力の伝達は、経筋の機能を考えるうえで重要な研究対象です。
ただし、筋膜が身体全体に連続していることと、十二経筋が特定の筋膜ネットワークに一致することは別の問題です。
神経から考える説
2024年の李焱煒・馬莉による論文「经筋实质探究」では、経筋の実体を現代医学の体性神経系と関連づける仮説が提案されています。
これは研究者による理論的解釈であり、経筋と体性神経系が同一であると実証されたわけではありません。
現時点での結論
2026年のレビューでは、経筋の実体について、神経、筋膜、筋肉、筋筋膜複合体、筋筋膜連鎖という複数の見方が整理されています。
経筋を一つの組織に限定するのではなく、古典の記述を出発点として、筋・腱・筋膜・神経などとの関係を個別に検証する必要があります。
経筋の正体は、まだ確定していません。だからこそ、古典理論と現代医学を区別しながら研究する意義があります。
参考文献
- 酒俊龍ほか『経筋基礎研究現状、問題与対策』2022年
- 李焱煒・馬莉『经筋实质探究』2024年
- 郑齐ほか『筋的实质研究现状及述评』2026年
