今回の症例は「腰のニブイ痛み」です。
一言で「腰痛」と言っても、さまざまな筋肉が関与しています。
今症例では、ズキっとくるような鋭い痛みではなく、背中から腰、脚までのニブイ痛みを引き起こした症例をご紹介していきます。
【患者】
40代男性
会社員
体格中肉、身長は高い
学生時代にコンタクトスポーツをしており、健康には自信がある。
【主訴】
腰の鈍い痛み
長時間立っていたり、歩行すると、背中の中程から足の先まで痺れるような鈍い痛みのようなものが走る。
電車での通勤時は、満員で体勢を動かせないので座り込みたくなる。
【所見】
背筋はシャンとしているが、骨盤が後傾しており、長期間腰に不安を持っている人が陥りがちな姿勢になっていた。
歩く姿も、ややガニ股気味で、あまり足を上げずに擦るように歩く。
これは長期間の腰痛によって、無意識に腰を庇うことから発生することが多い。
【トリガーポイントマッサージで原因を探る】
背中全体に強い緊張がある
触れた瞬間からわかる、背中の強い皮膚の緊張感があった。
正常な筋肉を持つ皮膚は、弾力があり、触れても柔らかに沈み込み、且つ水平方向に伸縮しながらスライドする。
これは、筋肉が柔軟であることから、それを覆う皮下脂肪等の筋膜と、さらにそれを覆う皮膚までもが柔らかく動くからです。
反対に、筋肉の緊張感が強くなると、きゅっと全体的に収縮します。
すると、筋肉を覆う筋膜、筋膜を覆う皮膚も筋肉の緊張に引っ張られて硬く柔軟性を失ってしまうのです。
背中全体の緊張の原因は「広背筋」
主訴には、「背中の中程から鈍い痛みが始まる」とあったので肩甲骨下辺りに触れてみたが、全体的な緊張はあるものの、トリガーポイントは発見できなかった。
場所を変えて、脇の下と肩甲骨の間に触れたところ、棒状の硬い筋繊維が触知できたため、軽く押圧すると
「腰に響く…!」
と返答があった。
これは広背筋という、背中の中程から仙骨あたりの広い範囲から、上腕の骨まで伸びている筋肉で、主に脇を閉じる等の動作の時に活躍する筋肉のトリガーポイント。

背中の中程〜仙骨から脇の下(上腕骨)に伸びている筋肉。
一般的に「背中の筋肉」と知られているが、腰を構成する筋肉でもあります。
疲労すると、ズキっと痛むというよりも、骨盤の後ろ辺りを引っ張られるような違和感を覚えることが多い。
脇の下にTP(トリガーポイント)があり、押圧すると写真の白い部分にズンと響くような応答が得られます。
腰を覆う不快感は「腰方形筋」
腰を押圧したが、筋肉の緊張が強すぎて圧が通らない。
この状態で鍼をすると、鋭い痛みが走るので鍼は施しません。
腰から脇腹の方にポイントをずらしていくと、腹全体を覆うように筋肉が硬く引き締まっている。
背骨と脇腹の中間辺りから、体の内部方向へゆっくりと指を押し込んでいくと、
「お尻が痺れます…!」
との応答があった。
また、肋骨の一番下、第十二肋骨直下から体の内部方向へ押圧しても同じ応答が得られたため、腰方形筋も関与していると思われました。

一番下の肋骨(第十二肋骨)から骨盤にかけてつながっている筋肉。
腰を構成する筋肉ですが、肋骨と接着しているため、
・背部痛
として感じたり、骨盤とも接着しているので
・股関節痛
として感じることもあります。
いわゆるインナーマッスルと言われる深層にある筋肉なので、力づくで押しても刺激を到達させることは難しいです。
また、すぐ下に腎臓があるので、鍼をする際も注意が必要。
腰痛にも関与する【中臀筋】
お尻を押圧したが、背中の緊張とはうってかわって、筋肉の緊張はあまり感じない。
これは、骨盤が後傾した人に多い特徴の一つです。
骨盤が後傾すると、「臀筋」というお尻の筋肉が緩むからです。
しかし、大きな大臀筋の中にある、中臀筋のトリガーポイント目掛けてゆっくりと押圧していくと
ビクンッ!
と大きな筋肉の攣縮(れんしゅく)がありました。
これは、強い緊張を持っていた筋肉に対して、的確な角度で刺激を加えた時に得られる応答です。
肝試しで怖がって身をすくめている子を後ろから脅かすと、ヘナヘナと腰を抜かしてしまうイメージでしょうか。

これもいわゆるインナーマッスルでしょうか。
この上に大臀筋という大きな、お尻を構成する筋肉が覆います。
中臀筋はイラストでわかるように、腰方形筋と骨盤の上部でつながっています。
ですから中臀筋は
・股関節痛
だけでなく、
・腰痛
にも関与してきます。
腰痛治療は全身施術が必須
見ていただいた通り、腰痛に関与する筋肉は上半身を全て覆うような筋肉です、
また、中臀筋はその下のハムストリングスともつながってきますので、足への施術も必須です。
つまり、腰痛改善には全身施術が必須だということです。
腰だけに施術しても、症状がすぐに戻ってしまうのがわかるかと思います。
これまで、
「腰痛治療してもらっても、すぐに再発してしまう…」
という方は、ぜひ一度、当院の全身治療をご体感ください。
新人セラピストさん向けのトリガーポイントセミナーもやっています
当院では、新人セラピストさんや、強押しができないとお悩みの方に向けた
力ではなく、ポイントを的確に見つけて刺激するトリガーポイントセミナー
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当院のご案内
| 院名 | スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前 |
| 所在地 | 〒631-0022 奈良市鶴舞西町2−22FUN2階 |
| TEL | 070-8404-5297 |
| 受付時間 | 10:00〜22:00 |
| 休診日 | 不定休 |
| 診療項目 | はり/灸/美容鍼 |
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