鍼灸の真髄、刺絡（しらく）をしっていますか？

「経絡を刺す」という意味で、刺絡（しらく）

ご存知でしょうか？

鍼灸が好きな方でも、知らない方がほとんどではないでしょうか？

正しくは「井穴刺絡（せいけつしらく）」という名称の治療術です。

手と足の指先にある「井穴（せいけつ）」というツボを使ってやるのですが、施術方法がとても特殊なんです。

どうやるかというと、指先にある井穴に小さな傷をつけ、そこから少量の血を抜く、というものです。

えぇ…聞いただけでムリィ…

となるような方法なので、ボクも患者さんにはほとんど言いません。

ただこの刺絡、とても歴史のある治療術で、世界最古の医学書「黄帝内経（こうていだいけい）」にもその基本となる技術が記載されています。

昭和初期に日本で井穴刺絡として体系化された後も、ひっそりと受け継がれて来た技術なのです。

この「指先から出血させる」という点をとらえて、

「瀉血は医師にしか認められていない」

という意見もありますが、刺絡と瀉血は似て非なるものです。

ここでいう「瀉血」とは、古来西洋で行われていた、大量の血液を抜く治療法を指していますが、刺絡は全く違います。

井穴というツボに傷をつける結果、ごく少量の血が出る、という一点を捉えて、

「瀉血」と誤解されているのだと思います。

さてこの刺絡、どういった効果があるかというと、

「パンパンに凝っている（圧が高い）」

「熱を持っている」

「ドロドロして流れない（古い血がある）」

「神経が興奮しすぎている」

症状に効果があると言われています。

たとえば

・慢性の肩こり

・めまい

・アレルギー症状

・アトピー

に効果が認められたとされています。

とはいえ、やはり指先に傷をつけるというのは抵抗がありますし、怖いです。

ボクも練習で自分に施術するとしても、緊張します。

ですから、ボクから

「刺絡しましょう！」

と言ったことはありませんし、これからも言うことはないでしょう。

ただ、知っていてやらないのと、やり方も知らないというのは、鍼灸師として大きな差と思いますので、技術は錆びさせないようにしていこうと思っています。

時々ですが、刺絡を希望される方がおられますが、初回の患者さんには刺絡はしていません。

何度か当院に通っていただき、信頼関係を築いた後に検討させていただいていますので、ご了承くださいませ。

当院のご案内