東洋医学から読み解く、現代っ子の『体の緊張』と起立性調節障害

  • 2025年10月28日
  • 2025年10月28日
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1. はじめに:現代っ子の「なんだか調子が悪い」を考える

最近スクナビコナ鍼灸院奈良学園前では
・朝起きられない
・めまいがする
・だるい
といった症状を訴える子供が増えています。

その代表が起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:略してOD)と言われるものです。

ODは自律神経の不調とされていますが、単なる身体的な問題として片付けて良いのでしょうか?

子供たちの体から「強い緊張感」を感じることはありませんか?
・体に触れると異様に体が硬い
・体に触れるとすぐにこそばがる
・イライラしていることが多い
・夜眠れず、遅くまで起きていることが多い
等に心当たりはありませんか?

この記事では、東洋医学の視点から、この「体の緊張」の背景にある現代のストレス構造とODの関連性を考察していきます。

2. 起立性調節障害(OD)とストレス:心身症としての側面

起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:略してOD)は「自律神経機能不全の一つ」であり、心理社会的ストレスの影響を受けていることが多いため、「心身症のうちの一つ」と考えられています。

小学生や中学生でこの症状を訴える子もいますので、明らかに現代の社会システムに何かしらの問題があるように思えてなりません。

東洋医学的な視点(緊張とストレス)

東洋医学では、心と体は密接に関連しており、特に「心・肝・脾」「情緒・感情の動き」と関係し、互いに影響し合うとされるています。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れた状態を整えるために、「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」などの漢方薬が使用されることがあります。

柴胡桂枝湯の効果としては
・自律神経の乱れと精神症状への作用(特にストレス関連)
(1) 自律神経の調整: ストレスや環境の変化によって自律神経のバランスが乱れ、不安定になっている状態をサポートする。
(2) 精神・神経症状の緩和: 不安、イライラ、不眠、動悸など、精神的な緊張やそれに伴う身体症状の改善に役立ちます。
(3) 起立性調節障害(OD)への応用: 登校困難を伴う起立性調節障害の軽減に使用された報告もありストレスによって自律神経が乱れ、心身に不調を来している子供に適応することがあります。(特に「不安」や「不眠」など精神神経症状を伴う場合

胃腸の緊張・痛みの緩和
胃腸の機能回復:
吐き気、食欲不振、腹痛などを改善し、弱った胃腸の働きを整えて体力の回復を助けます。
心下部緊張疼痛(みぞおちの痛み): 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性肝炎、胆嚢炎など、上腹部やみぞおちに痛みや張りが生じる症状にも用いられます。

これは、東洋医学がストレスによる体調不良(緊張や不安定さ)をケアする視点を持っていることを示しています。

現代の子供たちが抱える「見えないストレス」の正体

「昔はなかったストレス」

身体化しやすい子供の特性

子供は大人に比べ、自分の状況を言葉で表現しづらい分、ストレスにのまれやすく、身体症状が現れやすい傾向があります。

特に男の子に顕著です。

男の子は、女の子に比べて言語化能力に劣る面がありますので、どんどん自分の中で言葉にならない不安等のストレスを溜め込んでいく傾向にあります。

そして、少しの不安や心配ごとでも、腹痛や睡眠障害として現れることがあります。

「怖さ」と「人からの目」

子供の緊張のスイッチは、失敗への不安や「怖い」と感じたときに入ります。

また、年齢が上がるにつれて「よく見られたい」「悪いところを見られたくない」といった人からの見られ方を意識するようになり、これも緊張の一つの要因となり得ます。

現代社会の過度な競争意識や普及し過ぎたSNSの影響も大きいのではないでしょうか?

「親の顔が暗いこと」を察知する子供

家族の経済状況と子供への影響

経済的にゆとりのない家庭では、親(特に母親)が「育児不安」や「自信のなさ」を抱えやすく、子どもへの関わりに影響が出ることが示唆されています。

物価高が続く中、金銭面に余裕のある家庭の方が少ないとは思いますが、家庭内でそのような不安な会話をお子さんに聞かせていませんか?
子供は親の話を機微に察知しています。

子供の察知能力と共感ストレス

子供は敏感であり、家庭内の雰囲気や親の精神的な状態(不景気による不安、疲労、不満など)を言葉によらず察知します。

親のストレスが子供の心身に影響を与え、それが自律神経の緊張や不調につながる可能性は高いです。

この「親からくる緊張・ストレス」も、東洋医学でいう「情緒や感情の乱れ」を通じてODを悪化させる一因となり得ます。

東洋医学的な具体的なケア

親子のコミュニケーションの見直し

子供に触れる機会を設けるようにして欲しいと思います。

ベタベタ触る必要はありませんから、少し背中に手を添える、肩をポンポンと軽く叩く等で構いません。

「手当て」という言葉があるように、人の手のひらには不思議な力があります。

信頼する人の手に触れられるだけで、大抵の不安感は軽減します。

適度な運動

少し息が弾む程度(心拍数が100を少し超える程度)の運動を行うことで、体内の(気・血・水)の巡りが良くなり、余計な緊張を取り去ることができる様になります。

まとめ:親子の心と体の緊張を解きほぐすために

ODは子供一人の問題ではなく、現代社会全体のストレスと親子の関係性が絡み合って生じています。

子供の心身の不調は、親自身のストレスや不安を見つめ直すサインでもあります。

親子でゆったりと過ごす時間を持つことの重要性を再認識し、しっかりと子供と向き合う時間を作ってあげてください。

スクナビコナ鍼灸院奈良学園前では、症状だけでなく「体質」や「心の状態」も含めて全体を捉えることで、根本的な緊張の緩和をサポートすることが可能です。

この様な症状でお困りの場合は、ぜひご相談ください。



当院のご案内


院名 スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前
所在地 〒631-0022
奈良市鶴舞西町20201207−22FUN2階
TELL 070-8404-5297
受付時間 10:00〜22:00
休診日 不定休
診療項目 はり/灸/美容鍼
駐車場 有り(1台)
スクナビコナ鍼灸院駐車場イラスト
アクセス 近鉄学園前駅から徒歩10分
院の内観 内観写真はこちら
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